場所法とは?
場所法という名称以外にも、ジャーニー法やシモニデス記憶術などの様々な呼び名があります。
そこで、まずは場所法誕生のきっかけについてお話します。
紀元前のギリシャに、シモニデスという詩人がいました。
そのギリシャの詩人シモニデスが宮殿で貴族たちに詩を読み、その後人に呼ばれたためいったん宮殿の外に出たのです。
ところが、外にいる間に宮殿の屋根が崩れ落ちてしまい、中の貴族たちは下敷きになり死亡してしまいました。
残された身内が彼らを埋葬しようにも、事故でみな無残な姿に変わり果ててしまったため、身元判別ができませんでした。
しかし、シモニデスは貴族たちの着席位置を覚えていたことから個々の遺体が誰であるかを言い当てることができました。
こうして「場所」に頼った記憶術を用いたシモニデスのお陰で遺族は全員を埋葬できたのです。
紀元前にギリシャで発明されたこの記憶術は、その後多くの天才達に認知されるようになり、ローマ時代の有名な演説家たちは、演説する場所で前もって場所法を用いて演説する事柄を記憶して、資料などをあまり見ずに長時間の演説を行って聴衆の信頼を得ていたようです。
あの有名な「シャーロック・ホームズ」にも登場するなど、世界的にも有名な方法となりました。
現代では、記憶力を競う世界記憶力選手権で使用しない選手がほぼいないほど、効果的で強力な記憶術です。
なぜ天才達には他のどの記憶術でもなく、場所法が重要されているのか?
記憶術には音読法やマインドマップ、フォトリーディングなど様々な方法があります。
もちろん、これらの方法もしっかりマスターすることができれば、
ものを効率よく覚えられるようになることは間違いないのですが、
一番の問題点は”誰でも簡単に習得できるものではない”ということです。
実際に、フォトリーディングを完璧に習得できる人は1%未満と言われていますし、
世界記憶力選手権という記憶力を競う大会に出場している選手ですら、
きちんとマスターできる人は少ないと言われています。
それに対し、場所法は一度コツを掴んでしまえば誰でも簡単に習得できてしまい、
音読法などの他の記憶術に比べ、最も長期的に記憶に残る方法だと言われています。
なぜなら、場所を覚えるということは、全人類に原始時代から生まれつき備わっている“生存本能”を利用しているからです。
なぜ、場所を覚えることは原始時代から生まれつき備わっている生存本能と関係があるのでしょうか?
それは、人間に限らず、生物は自らの帰る場所がなくなってしまえば、
生きていくことができなくなってしまうからです。
今の時代こそ、外にマンモスや猛獣などの命に危険を及ぼす生物は身近にいないですが、
原始時代は帰るべき場所がなければ、
そうした生物に襲われ生きていくことができなくなってしまいます。
このように、生物には帰巣本能がある通り、
生物にとって場所を覚えるということは
自らの生死に関わる重要なことであるので、
もっとも忘れにくいものだと言われているのです。
例えば、小学生の時に通った通学路を今頭に思い浮かべてみてください。
おそらく、頭の中に鮮明と当時小学校に通った道を思い出すことができているかと思います。
さらに、場所はこの世に無限にあるので、記憶したい量に合わせていくらでも目印を増やすことができ、
場所の移動順に覚えていくため、記憶対象の順番を簡単に覚えることができるというメリットもあります。
場所法の具体的なやり方とは?
そんな効果の高い場所法ですが、具体的にどのように行なっているかについて簡単にご説明いたします。
場所法は、簡単にいうと、記憶対象と場所を関連づける方法です。
まずはじめに、覚える場所を用意します。
通学路や通勤路、よく行く街の通り、自分の部屋、デパートなど、
馴染みのある場所ならどこでも良いです。
もちろん、場所法を使うために新たな場所を探して使用するのもありです。
次に、その場所をたどる順番を決めます。
道なら道なりでいいですが、部屋などの空間なら、
「ドア→冷蔵庫→ベッド→机→・・・の順に移動する」というように順番を決め、
その順番をしっかりと覚えます。
最後に、記憶したいものを場所に結合させていきます。
実際の場所を移動しながら、もしくは場所を思い浮かべながら、 その場所の目印に、記憶対象を結合させていくのです。
その際、覚える対象が目に見えるものでなければ、イメージ化して目に見えるものに「変換」し、場所と関連付けます。
記憶対象と、それを配置する場所で物語を作るのです。
以上が場所法の簡単な解説です。
場所法を用いると、大量の事柄を順番通りに覚えることができます。
あなたもぜひ実際に使ってみて、その記憶のしやすさを体感してみてください。

